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さつき「はぁはぁ…。り、稜さんは…?!」

 大急ぎで味方部の部室へ辿り着いたさつきは、
先行していた稜が居ないことに気づいた。
しかし、近くで戦っている様子も無い。

さつき「稜さん…。何があったの…?」

翔子「稜さんって赤陽ちゃんのこと?」

さつき「はい。って、桜流さん!」

翔子「赤陽ちゃんなら、うちの御堂ちゃんと向こうで一戦やっとるで」

さつき「!そうですか…。」

翔子「そんなわけで、役者はそろったみたいやね」

 そう言われて身構えるさつきの前に司木が進み出た。

燈也「ここは俺に任せてくださいよ!先輩たちは先に!」

翔子「んーそーやねー。九郎くん、どない?」

九郎「あ、ええ。それで構いません。」

翔子「ほな、行こうか。」

 そう言って進もうとする九郎と翔子を静かに阻むさつき。

さつき「申し訳ありませんが、ここをお通しするわけにはいきません。」

 その目に本気の光を見て取った翔子は歩みを止める。

翔子「って、司木くんとうちを同時に相手するつもり?」

さつき「そのつもりです」

燈也「おいおい、舐められたもんだな」

さつき「侮ってなどいません。ただ、成すべき事をやるだけです」

 そういって構えるさつきの顔に一筋の汗が浮かぶ。それは焦燥と覚悟の汗。
無謀なのは分かりきっている。極星二人を同時に相手にするなど。
しかも、そのうち一人はあのはやなと互角に戦った事もある相手なのだ。
 正直一人相手でも危うい。しかし、ティンクルセイバーが活動出来ない状況で、
稜が足止めを食らっている以上、ここで自分が止めないと最早後は無い。

翔子「んー、正直気は乗らんけど、やるしかないかなぁ」

燈也「そうッスね。」

翔子「ほな、行くよ。2対1やけど堪忍な」

 対するさつきは無言で構え、それを回答とした。

「2対1ではありません」

 3人が各々動こうとしたその時、彼女らが居る廊下の奥から声が響いてきた。
振り向けば、音が響きやすい廊下で殆ど歩く音をさせないまま近づいてくる男子が一人。

九郎「武居くん…?」

翔子「ん?誰やろ?」

九郎「剣道部の武居和麻くんですよ」

翔子「ああ、アレが噂の紅刃ちゃんか。」

 九郎達が会話している間に和麻は顔が見えるところまで歩いてきて、そこで止まった。
そして、男子の正体を把握したさつきが顔を強張らせる。
 確か、以前征服部の用心棒をしていた事があるはず。
活動し始めの頃にはやなに勝負を挑み、一撃を当てている。
しかも、通常の斬撃では傷一つつかないティンクルセイバーのスーツを切り裂いた事もある。
 単独で戦っても勝てるか分からない相手、しかもこれで3対1となった。
絶望的な状況に、しかしさつきは最後まで戦い抜くことを改めて決意した。

 そして、和麻は、さつきに向かってゆっくりと歩いてゆき…

さつき「っ…!」

 さつきの目の前で止まると、踵を返して翔子達の方に向き直った。
それは丁度、さつきと和麻が翔子と燈也に対峙する形。

さつき「紅刃さん…?」

九郎「これは…」

翔子「どうやら、うちらの味方ってわけやなさそうやね」

 木刀を構える和麻の前に九郎が進み出た。

九郎「まさか貴方と対峙することになるとは思いませんでしたよ」

和麻「すみません。ですが…」

九郎「以前仰っていた、大儀ですか…」

和麻「そうですね。多少私的な事情もありますが」

燈也「……」

 思うところがある司木以外が状況の変化に戸惑いつつも行動を開始した。

翔子「作戦変更やね。朝凪ちゃんはそのまま進んで。うちらで止めるわ。それでええな?」

燈也「あ、ああ。それで良いっス。」

翔子「ほな決定や。行って、朝凪ちゃん!」

九郎「すみません、後を頼みます!」

 そういって駆け出す九郎。

さつき「あ、待ってください!」

 止めようとするさつきの長刀は、翔子の棍棒に止められる。

さつき「くっ・・・!」

翔子「はーい蒼雷ちゃんも注目ー。余所見してたら勝てへんよー?」

 軽く言っているが、長刀は完全に棍棒に絡めとられている。
仕方なく、さつきは長刀を一度戻し、改めて翔子に向き直った。

和麻「相手は決まったようですね」

 大して、和麻は最初から一人の相手を見据えていた。

燈也「ま、俺だよな。普通に考えて。」

 最初から視線を受け止めていた燈也は、苦笑いしつつそう答えた。

翔子「お互い近くやと邪魔やし、向こういこか」

さつき「はい!」

 翔子とさつきは翔子達がやってきた方向へ。

和麻「別にここでも構いませんが…」

燈也「俺も構わないッスよ。まあ、向こうに習って」

和麻「分かりました」

 和麻と燈也は和麻がやってきた方向へ。

 お互いに戦いの場を移す。

 そして、各所で計6人もの極星がぶつかる激闘が幕を開けた…


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