「とんでもない所ねぇ…」 始業式も、授業と同じく始まる前は騒がしいもの。 お嬢様が通うリリアンと言えどもそれは例外ではない。 そんな時間を利用して、プティスールについて詳しく聞いた留美は、 始業式が始まった中で、誰にも聞こえる事無くそう呟いた。 姉妹(スール)制度。強い結びつきを持った先輩後輩を姉妹(スール)と言う。 先輩をグラン・スール,後輩をプティ・スールと言う。スールは非常に親密な関係を築く。 先輩が後輩をスールにする時は、証として先輩が後輩の首にロザリオをかけるらしい。 元は生徒達の自立心が生んだ事らしいが、何とも女子高らしいと言うか…。 一度この辺に遊びに来た時に生徒達のお嬢様然とした姿に感動し、 乙女としての嗜みを身につける為に入りたい! と願ったリリアンだったが、私は凄い所に入学したのかもしれない。 と、念願適った留美はそう思った。 お嬢様が多いリリアンで、行事の最中に私語で騒々しくなるような事は無いと言っていい。 しかし、そんなリリアンらしからぬざわめきで、留美は考える事を止めて現実に戻った。 何事かと目の前を見ると、3人の女の子が体育館のステージに立っていた。 3人の登場に思わず椅子から立ち上がる人も居たりして、 なんだかなぁと思っていた留美は、思わず立ち上がりそうになった。 ━朝のあの人━ 朝出会った薄桃色の髪をした少女。3人の中に彼女が居た。 驚く留美を他所に始業式は進む。 司会者の言葉を聞くと、どうやら、今から生徒会役員の紹介が始まるらしい。 と言う事は、彼女らがさっき緑髪の少女(真希…だっけ?)が言ってた薔薇さまか。 司会者のマイクが3人に渡った事を見ると自己紹介するらしい。 留美はその自己紹介を耳をダンボにして聞いた。 3人は、体育館の左側に向かって自己紹介をした。 体育館には全校生徒が左から1,2,3年と座っていたので、 新入生に向かって自己紹介をするのが目的だったようだ。 その中で、薄桃色の髪の少女は自らを「深山雪見」と名乗った。 留美は、その名をしっかり心の中に刻み付ける。 ━彼女こそ私の理想とする真の乙女だ━と