目次  

 昼ご飯が終って帰って来た留美を待っていたのは、
教室の出入り口に仁王立ちで構えるクラスメイト達だった。
その真中には、昨日色々と話をした広瀬真希さんの姿があった。

「紅薔薇様(ロサ・キネンシス)だけじゃなく、ブウトン達にも取り入ろうとはね…!」

「そんなんじゃないわよ」

「紅薔薇様(ロサ・キネンシス)の妹になるのは、私よ!」

 なら勝手にどうぞ。と言ったら大変な事になりそうだったので自粛。
ブウトン「達」という事は、茜さんもブウトンなのかなぁ。
と、身動き取れない状況で留美は考えていた。
身動き取れない状況は、そのまま先生が来るまで続いた。

 6時間目の授業を片耳で聞きながら、留美はいろいろ考え事をしていた。
後でクラスメイトに聞いた話だが、真希さんは薔薇さまの座を狙っているらしく、
その為に紅薔薇様(ロサ・キネンシス)の妹になりたいらしいのだ。
 大抵の場合ブウトンは次の年の薔薇さまになるからだ。
との事らしいが、その為に妹になるというのは何か間違えているような気がする。
 だから、紅薔薇様(ロサ・キネンシス)と親しくしていた私が邪魔なのだろう。
いずれにせよ、真希さんには完全に誤解されているようだ。

 誤解の原因となったあの記事を書いた詩子さんに会って、
直接誤解を解いてもらうのが一番のような気がする。
渦中の雪見さんが言っても火に油だろうし、瑞佳さんだと更に話がややこしくなりそうだし…。
 うん。詩子さんに会うのが一番だろう。
その為には、今日の昼に会った茜さんにもう一度会ってみればいいはず。
茜さんは詩子さんと親友だと言っていたし。

 速攻がモットーの留美。まずは瑞佳さんに茜さんのクラスを聞く。
茜さんのクラスへ行くと、薔薇の館に行ったと言われたので、其方へ。
 大抵の場合、速攻でやれば間違えてもやり直しが効く。
だが、やり直しがかなり難しい場合もある。
今回の場合、山百合会絡みの騒ぎの渦中なのに、皆が居るクラスの中で、
ブウトンである瑞佳さんに、同じくブウトンである茜さんの事を聞いた事と、
薔薇の館に入ってしまった事辺りがやり直すポイントだろう。
 そんなやり直しポイントがある事を留美が知ったのは、薔薇の館に入ってからだった。

   目次