騒然となる周囲の真ん中に、2人が居た。立っている者と蹲る者。 決着はどうなったかと言えば、それは立っている者が勝ったと言えよう。 その仲間達は歓声を上げている。 しかし、その立っている者はあまり面白くない様子で蹲る者を見ていた。 「・・・何で止めた」 立っている者、宗太は木刀を打ち下ろした腕を体の横に戻して、蹲る者、留美へそう尋ねた。 頭は外したとはいえ木刀を肩に食らった留美は、木刀を持っていた手で肩を抑えて蹲っていた。 「アンタ、真希の弟なんでしょ。それ考えたら、勝手に止まったわ」 「この木刀食らってもか」 「そうね…。アンタのその寂しい目を打つ痛みよりはマシだわ。後々響くしね」 「こっちだって後々響くだろうが」 そう言って木刀を見る。 「まあ、そうかもね。」 留美は、肩を抑えたまま立ち上がった。 「…約束どおり、好きにしなさいよ」 そういって、一歩進む。その姿に、宗太は勝ったにも拘らず、一歩引いた。 そこに、彼の仲間達が集まってきた。 「すげぇよ宗太さん!!」 「さすが俺等の頭(ヘッド)だぜ!」 「こいつどうするんです?」 「てめぇ、前やられた痛み、倍にして返してやるぜ!」 彼らは口々に騒ぎ立てた。よく見ると、以前留美が倒した奴等もいた。 宗太がそんな彼等の方を向くと、彼らはすっと黙った。 結構統率性があるなと留美は思った。 「…帰るぞ」 そう言って、宗太は校門の方へ歩き始めた。 何でですか? あいつやらないんですか!? と色々騒ぎ立てる少年達を、さっきの勝負、俺の負けだ。と一喝した。 「で、あんた達はどうするの…?」 宗太が去った後、呆然としている少年達に留美がそう聞くと、 蜘蛛の子を散らしたように少年達は逃げていった。 大歓声のあがる中、留美は上でしっかり雪見さんを守っていてくれた真希に、 ウィンクを1つ投げかけた。