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「何事?!」

 マンションで惰眠を貪っていたアルクェイドは、
街に現れたとてつもない気配を感じて飛び起きた。

「…死徒? いや、この気配は…」

 出かける支度を整えながら呟いた言葉は、最後まで発せられない。
アルクェイド自身がその結論を信じられないからだ。

そう、誰が信じられよう

今や自分だけとなった純粋吸血種「真祖」

数百年前にアルクェイド自身が皆殺しにした種族

その気配を、再び感じたなどと

 数分後、アルクェイドは町に飛び出していた。



「一体何者なんでしょう…」

 アルクェイドがあたふたしている頃、
埋葬機関第7位、シエルもまた困惑した表情を浮かべていた。
 現れた者の実力は少なく見積もっても死徒27祖下位クラスに匹敵する。
そんな者が現れたなら教会から何か連絡があってもいいはずだ。

「新たなる何かが発生したのでしょうか…」

 いずれにせよ、教会が知っているものではないということ。
そして、この街にきたと言う事は、高い確率で「彼」と接触するであろう事。

「いちど、遠野君の家に行ってみましょう」



「で、これはどういう事でしょうか、兄さん?」

 街の高台にある大きな家、遠野家の玄関に佇む人達が居た。
レミリアと帰って来た志貴。
志貴を迎えに行ったら女性と一緒でびっくりしている翡翠。
ただただ嬉しそうな琥珀。

 そして、先の言葉を発した、仁王立ちで志貴の前に立つ秋葉。

「いや、だから、さっき出会ったんだけど、なんか帰る方法が分からないとか…」

「だからってなんでうちに連れて来るんです?」

 更に詰め寄る秋葉。そして、心なしか翡翠にも睨まれている気がする。

「それは…」

「志貴ーーー!」

「遠野君!!」

 そんな状況に、更に台風の目が二つやってくる。
しかし、いつもは状況を悪化させるだけの二人も、今回は違っていた。

「なんか変な気配がし…」

「大変な事になりそ…」

 アルクェイドとシエルは、会話の途中でレミリアを目に止めて凍った。
その雰囲気に流されて固まる周囲。
そんな中、志貴は「助かったー」とか悠長な事を考えていた。



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