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「ん…」

 開けた目に眩しい光が飛び込んでくる。
起きて周りを見渡すと、和風な部屋だった。

「ここは…?」

 八雲紫は、首を傾げて考えた。
確か結界を修復してて、終わった直後に寝た。
そこまでは覚えているがその後が思い出せない。
というか、ただ寝ていただけのような気がする。

「おや、起きられましたか」

 暫く考えていると、部屋に誰か入ってきた。
礼服に身を包み、手にお盆を持っている壮年の男。

「お嬢様をお呼び致します」

 自分が起きた事に気づいた男は、そう言うとお盆を置いて部屋を出て行った。
お盆には以前霊夢の家で飲んだような飲み物が乗っていた。

「式様、あの方が目を覚ましました」
「そうか。すぐ行く」
「あと、ご主人様が帰られましたので…」
「…分かった。急ごう」

 遠くからそんな声が聞こえてくる。
声が止んで暫くすると、また部屋に人が入ってきた。
今度は二人。さっきの男と着物姿のお…どっちだろう?

「では、私はこれで」

 男の方は出て行って、部屋には私と着物の人だけになった。

「…で、どういう了見だ?」

 その人は立ったまま、私に質問してきた。

「何が?」

「なんで妖怪が普通に道端で寝てたんだと聞いてるんだ」

 言われて体を見てみると、尻尾を隠さないままだった。

「何でかしら」

「舐めてるか?」

「人間は好みじゃないの」

「…」

「とりあえず、名前は八雲 紫よ。
他にも自分の事は言えるけど、周りの事は今分からないわ」

 少し危険な空気を察知したので、素直に話す。
その空気は、旧幽たる西行寺幽々子に近い気がした。

「…俺は両儀 式だ。…お前の正体はひとまず置いておこう。
まずはここを出るぞ。擬態は出来るな?」

「出来るわ」

「じゃあ早くやれ。他の奴に見つかったら瞬殺されるぞ、お前」

「どうしてかしら?」

「…うちは退魔の家系だ」

「なるほど。じゃあ、何で貴方は私を殺さないの?」

「気まぐれだ」

 その時、障子の向こうから声がした。

「式様、お早く…」

 その言葉で、会話は中断した。
準備を整え、部屋を出る。そして暫く歩いて家を出た。広い家だ。


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